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叢生(歯のガタガタ・八重歯)とは?抜歯は必要?費用・期間を柏市の矯正歯科が解説
こんにちは、柏の葉キャンパス矯正歯科の院長の小松です。
「歯がガタガタに重なっていて、笑うときに気になる」 「八重歯を治したいけれど、抜歯が必要と言われそうで怖い」 「歯を抜かずに治せる方法はないのか知りたい」
当院の初診カウンセリングでも、成人の患者さまの約45%が「歯のガタつき」をお悩みとして挙げられます。矯正相談で最も多い主訴です。
叢生(そうせい)で多くの方が気にされるのが「抜歯が必要かどうか」です。結論から申し上げると、叢生の程度によって判断が分かれます。軽度であれば抜歯せずに治せることも多く、一方で重度の場合は抜歯をした方が安定した結果につながることがあります。
この記事では、叢生の定義と原因、程度別の判断基準、抜歯の要否、費用と期間の目安を解説します。記事の後半では、八重歯を抜歯矯正で改善した24歳女性の実際の症例もご紹介します。
叢生(そうせい)とは
叢生とは、歯が並ぶスペースが足りず、歯が重なり合ったりねじれたりして生えている状態です。日本人に最も多い不正咬合のひとつとされています。

顎の大きさに対して歯が大きい、あるいは歯の本数に対して顎が小さいことで、歯が正常な位置に並びきれずに起こります。
叢生・八重歯・乱杭歯・ガタガタの違い
同じ状態を指す言葉がいくつもあり、混乱しやすい部分です。整理すると次のようになります。
| 呼び方 | 意味 |
|---|---|
| 叢生(そうせい) | 歯が重なり合って生えている状態を指す専門用語 |
| 八重歯(やえば) | 叢生のうち、特に犬歯が歯列から外側に飛び出している状態 |
| 乱杭歯(らんぐいば) | 叢生の別称。歯が杭を乱れて打ったように見えることから |
| ガタガタ・でこぼこ | 叢生の一般的な呼び名 |
つまり、八重歯は叢生の一種です。犬歯は永久歯の中で生えてくる順番が遅く、生える場所が残っていないと外側に押し出されるため、八重歯になりやすい歯といえます。
叢生を放置するとどうなる?
叢生は見た目の問題として語られがちですが、機能面への影響もあります。
虫歯・歯周病のリスクが上がる 歯が重なっている部分は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすくなります。フロスも通しにくいため、叢生の部分から虫歯や歯周病が始まるケースは少なくありません。
歯が均等に力を受けられない 歯並びが乱れていると噛み合わせのバランスが崩れ、特定の歯に負担が集中します。長期的には歯の摩耗や破折の原因になることがあります。
歯ぐきが下がりやすい 歯列から外側に飛び出している歯は、覆っている骨や歯ぐきが薄くなりがちです。歯ブラシの圧や加齢とともに歯ぐきが下がりやすい傾向があります。
叢生になる原因
顎と歯の大きさのアンバランス 最も大きな原因です。顎が小さい、あるいは歯が大きいことで、歯が並ぶためのスペースが不足します。顎の大きさも歯の大きさも遺伝の影響を受けやすいため、ご家族に同じ傾向が見られることがあります。
乳歯の早期喪失 虫歯などで乳歯を早く失うと、隣の歯が空いたスペースに移動してきます。その結果、後から生えてくる永久歯の場所がなくなり、叢生の原因になります。
顎の発育不足 やわらかい食べ物中心の食生活や口呼吸などにより、顎の成長が十分に促されないことがあります。
親知らずの影響 親知らずが手前の歯を押すことで、前歯のガタつきが強くなるという説があります。ただしこれについては議論があり、必ずしも親知らずが原因とは限りません。
口呼吸・舌癖 舌の位置が低いと、内側から歯列を広げる力が働かず、歯列が狭くなりやすいとされています。
叢生の程度と、治療方針の分かれ目
叢生は、歯が並ぶために足りないスペースの量によって程度を分類します。この分類が、抜歯の要否を判断する土台になります。
| 程度 | 不足しているスペース | 治療方針の傾向 |
|---|---|---|
| 軽度 | おおむね1〜3mm | 非抜歯で対応できることが多い |
| 中等度 | おおむね4〜7mm | 症例により判断が分かれる |
| 重度 | おおむね8mm以上 | 抜歯を伴う治療が選択されやすい |
※この数値は目安です。実際には顎の骨格、前歯の傾き、口元の突出感、顔貌のバランスを総合して判断します。
たとえば同じ5mmの不足でも、もともと口元が前に出ている方は抜歯を選択した方が良い結果になりやすく、口元が引っ込み気味の方は非抜歯で歯列を広げる方が調和が取れることがあります。数値だけでは決まりません。
叢生の治療方法
マウスピース型矯正装置(アライナー)
透明なマウスピースを交換しながら歯を動かす方法です。目立ちにくく取り外しができるため、社会人の方に選ばれています。
叢生への適応:軽度〜中等度の叢生では良好な結果が得られることが多くあります。重度の叢生や、大きな抜歯スペースを閉じる必要があるケースでは、後述するアンカースクリューの併用やワイヤー矯正への変更を検討します。
ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)
歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を動かす方法です。
叢生への適応:軽度から重度まで幅広く対応できます。特に歯を大きく回転させる動きや抜歯スペースを閉じながら歯を平行に移動させる動きが得意で、重度の叢生や八重歯の治療で選ばれることが多い装置です。後述する症例でもこの装置を使用しています。
舌側矯正(裏側矯正)
歯の裏側に装置を装着する方法です。外から見えにくく、対応できる症例の範囲もワイヤー矯正と同様に広い治療法です。
叢生で抜歯は必要?判断の基準
ここが最も多くご質問をいただく部分です。
叢生の治療は、「足りないスペースをどうやって作り出すか」に尽きます。方法は大きく2つ、「抜歯してスペースを作る」か「抜かずにスペースを生み出す」かです。
抜歯せずにスペースを作る方法
不足量が小さい場合、次の方法でスペースを確保できることがあります。
① IPR(ディスキング) 歯と歯の間をごくわずかに削り、歯の幅を細くする処置です。1か所あたり0.2〜0.5mm程度で、複数箇所行うことで数mmのスペースを作れます。エナメル質の範囲内で行うため、虫歯のリスクが上がることは通常ありません。詳しくはをご覧ください。
② 歯列の側方拡大 歯列の幅を少し広げてスペースを作ります。ただし、骨の外側へ無理に歯を出すと歯ぐきが下がる原因になるため、広げられる量には限界があります。
③ 奥歯を後方へ移動させる 奥歯を後ろに動かしてスペースを作る方法です。この際、を固定源として使うことで、確実性が高まります。
④ 前歯を前方へ傾ける 前歯をやや前に傾けることでスペースを確保する方法ですが、口元が前に出るため、もともと口元の突出が気になる方には適しません。
抜歯が必要になるケース
次のような場合は、抜歯を選択した方が安定した結果につながります。
- スペースの不足量が大きい(おおむね8mm以上)
- 口元の突出(口ゴボ)を同時に改善したい
- 非抜歯で並べると前歯が前方に出てしまい、口元が悪化する
- 歯を並べるために必要な移動量が、骨の中で安全に動かせる範囲を超える
抜歯する歯は、**上下の第一小臼歯(前から4番目の歯)**が選ばれることが多くあります。前から4番目は、前歯と奥歯の中間に位置しており、ここを抜くことで前歯側にも奥歯側にもスペースを配分できるためです。
**「歯を抜くのはもったいない」と感じられるのは自然なことです。**ただし、無理に非抜歯で並べた結果、口元が突出したり、歯ぐきが下がったり、後戻りしやすくなるケースもあります。当院では、抜歯・非抜歯それぞれで得られる結果とリスクを両方お示ししたうえで、一緒に判断していく方針をとっています。
抜歯の考え方についてはでも詳しく解説しています。
【症例】24歳女性・八重歯を抜歯矯正で改善(治療期間1年10ヶ月)
歯のガタつきと八重歯をお悩みに来院された、20代女性の症例をご紹介します。当院のInstagramでもご紹介をしている症例です。
※本症例について 当院は開業して間もないため、当院で治療が完了した症例がまだございません。本症例は、院長の外勤先の患者さまと、外勤先の病院の許可をいただいたうえで掲載しております。

治療の内容
上下左右の第一小臼歯(前から4番目の歯)を抜歯し、そこにできたスペースを利用して八重歯を後方へ移動させました。これにより歯列全体を整え、しっかり噛み合う歯並びに仕上げています。
八重歯は歯列の外側に飛び出しているため、そのまま内側に押し込もうとしてもスペースがありません。抜歯によって生まれたスペースへ計画的に移動させることで、無理のない位置に収めることができます。

治療概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢・性別 | 24歳 女性 |
| お住まい | つくば市 |
| 主訴 | 歯のガタつき |
| 動的治療期間 | 1年10ヶ月 |
| 抜歯部位 | 上顎左右4番、下顎左右4番 |
| 使用装置 | マルチブラケット装置(ワイヤー矯正) |

治療費用(当院の場合)
| 項目 | 費用(税込) |
|---|---|
| 精密検査料 | 49,500円 |
| 基本料金 | 880,000円 |
| 再診料 | 5,500円 × 22回 |
| 基本料金と再診料の合計 | 1,001,000円 |
※矯正歯科治療は、公的健康保険適応外の自費(自由)診療です。
本治療におけるリスクと副作用
- 歯根吸収
- 歯髄壊死
- 歯肉退縮
- 後戻り
※治療効果やリスクには個人差があります。
費用と治療期間の目安
| 装置 | 費用の目安 | 治療期間の目安 |
|---|---|---|
| マウスピース型矯正装置 | 70〜100万円程度 | 1.5〜2.5年 |
| ワイヤー矯正(表側) | 70〜100万円程度 | 2〜3年 |
| 舌側矯正(裏側) | 100〜150万円程度 | 2〜3年 |
※上記のほかに精密検査料・再診料がかかります。叢生の程度、抜歯の有無、アンカースクリューの使用によって変動します。
矯正治療は自費診療ですが、医療費控除の対象になります。年間の医療費が10万円を超えた分について所得控除を受けられ、通院のための交通費(公共交通機関)も対象に含められます。領収書は保管しておいてください。
柏の葉キャンパス矯正歯科の考え
叢生の相談で私が大切にしているのは、抜歯・非抜歯のどちらかを最初から決めてかからないことです。
「歯は抜きたくない」というお気持ちは当然のものだと思います。実際、軽度〜中等度の叢生であればIPRや奥歯の後方移動で対応できるケースは多くあります。一方で、スペースの不足が大きいのに無理に非抜歯で並べると、前歯が前方に押し出されて口元が突出したり、骨からはみ出した歯の歯ぐきが下がったりすることがあります。見た目のガタつきは取れても、別の問題が生まれてしまうわけです。
だからこそ、精密検査で「不足しているスペースは何mmか」「口元は今どの位置にあるか」「骨の中でどこまで安全に動かせるか」を数値で把握したうえで、抜歯した場合と抜歯しなかった場合の両方の見通しをお伝えするようにしています。そのうえで選んでいただくのが、納得のいく治療につながると考えています。
今回ご紹介した症例も、八重歯を無理なく収めるために抜歯を選択したケースです。1年10ヶ月という期間で、見た目と噛み合わせの両方を整えることができました。
よくあるご質問
Q1. 叢生と八重歯は何が違うのですか?
叢生は歯が重なり合って生えている状態全般を指す言葉で、八重歯はそのうち犬歯が歯列から外側に飛び出している状態を指します。つまり八重歯は叢生の一種です。犬歯は生えてくる順番が遅いため、スペースが残っていないと外側に押し出されて八重歯になりやすい歯です。
Q2. 叢生の治療で抜歯は必ず必要ですか?
必ずしも必要ではありません。不足しているスペースがおおむね1〜3mmの軽度であれば、IPR(歯の側面をわずかに削る処置)や奥歯の後方移動で対応できることが多くあります。一方、8mm以上の重度や、口元の突出も改善したい場合は抜歯を選択した方が安定した結果につながります。判断には精密検査が必要です。
Q3. 抜歯する場合、どの歯を抜きますか?
上下の第一小臼歯(前から4番目の歯)が選ばれることが多くあります。前歯と奥歯の中間に位置しているため、抜いたスペースを前歯側にも奥歯側にも配分できるためです。ただし歯の状態によっては第二小臼歯を選ぶこともあります。
Q4. 八重歯だけを部分的に治すことはできますか?
叢生の程度が非常に軽く、他の歯の位置に問題がない場合は部分矯正で対応できることもあります。ただし、八重歯は歯列全体のスペース不足の結果として起きていることが多いため、その場合は全体の矯正が必要になります。部分矯正で無理に八重歯だけを動かすと、他の歯に無理がかかることがあります。
Q5. 叢生の治療期間はどのくらいかかりますか?
叢生の程度や装置によって異なりますが、全体矯正でおおむね1.5〜3年程度です。今回ご紹介した症例では、抜歯を伴うワイヤー矯正で1年10ヶ月でした。治療後は歯の位置を安定させる保定期間が必要になります。
Q6. 叢生を放置するとどうなりますか?
歯が重なっている部分は歯ブラシが届きにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、噛み合わせのバランスが崩れて特定の歯に負担が集中したり、外側に飛び出した歯の歯ぐきが下がりやすくなったりすることがあります。
Q7. 大人になってからでも叢生は治せますか?
はい、治せます。矯正治療に年齢の上限はありません。ただし歯周病がある場合は、矯正治療の前に歯周治療が必要です。歯を支える骨が減った状態で矯正力をかけると、症状を悪化させる可能性があるためです。
Q8. 子どもの叢生は早めに治療した方がいいですか?
症状によります。当院では小児矯正の開始時期を9〜10歳頃としていますが、**重度の叢生の場合、1期治療で歯列を広げても将来的に2期治療で抜歯矯正となる可能性が高いため、1期治療を積極的にはおすすめしていません。**詳しくはをご覧ください。
Q9. 柏市以外からも受診できますか?
はい。当院はつくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」から徒歩圏内にあり、流山市(流山おおたかの森)・我孫子市・守谷市・つくば市など沿線エリアからお越しいただいています。
まとめ
- **叢生とは歯が並ぶスペースが足りず、歯が重なって生えている状態。**八重歯は叢生の一種です
- **抜歯の要否は、不足しているスペースの量で判断します。**軽度(1〜3mm)は非抜歯、重度(8mm以上)は抜歯が選ばれやすい傾向があります
- 非抜歯でスペースを作る方法として、IPR・歯列の拡大・奥歯の後方移動があります
- 無理な非抜歯は口元の突出や歯ぐきの下がりにつながることがあるため、両方の見通しを比較して判断することが大切です
- ご紹介した症例では、小臼歯4本の抜歯により1年10ヶ月で八重歯と歯列全体を改善しました
叢生は矯正相談で最も多いお悩みであり、対応方法も確立しています。「抜歯が怖い」「もう年齢的に遅いのでは」と迷われている方も、まずは現状を知ることから始めていただければと思います。
柏の葉キャンパス矯正歯科では、カウンセリングを受け付けています。叢生の程度の確認、抜歯が必要かどうかの見通し、費用や期間のご相談など、どんなことでもお気軽にお尋ねください。柏市・流山市・我孫子市・つくば市など近隣エリアからのご来院をお待ちしております。




