「矯正治療で歯を抜きます」と聞くと、

多くの方が「えっ、健康な歯を抜くの？」と驚かれます。

小さいころから「歯は大切にしよう」と教わってきた私たちにとって、

“抜歯”という言葉はどこかネガティブな印象を与えるものかもしれません。

しかし、矯正治療において歯を抜くことは、

決して悪いことでも、特別なことでもありません。

むしろ、長期的に見てかみ合わせの安定や口元の美しさを守るための大切な選択肢となることがあります。

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🦷 なぜ矯正治療で歯を抜くことがあるの？

中学生以降で永久歯がすべて生えそろった「永久歯列期」の矯正治療では、

一部の永久歯を抜いてスペースを確保することで、歯並び全体をより調和的に整えることがあります。

その目的は「歯を減らす」ことではなく、

すべての歯を正しい位置に並べ、健康で美しい咬合（かみ合わせ）をつくることにあります。

ここでは、代表的な３つのケースをご紹介します。

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① 出っ歯を下げたいとき

上の前歯が前方に出ている「上顎前突（出っ歯）」の方では、

前歯を後方へ移動させて口元を整える必要があります。

そのためには、歯を動かすためのスペースが必要です。

一般的には、前から4番目の歯（第一小臼歯）を抜いて、

できたスペースを利用し、全体のバランスを取っていきます。

この治療によって、

前歯の位置が自然に後方へ下がり、口元がすっきりと引き締まった印象になります。

また、鼻先とあご先を結んだ「Eライン（エステティックライン）」に対して、

唇の位置がより理想的に近づくことで、横顔の美しさが際立つようになります。

単に「歯を並べる」だけでなく、顔全体の調和を整えることが矯正治療の大きな魅力のひとつです。

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② 歯がガタガタで、あごの大きさに収まりきらないとき

歯が重なり合って並んでいる「叢生（そうせい）」の場合、

あごの骨の大きさと歯の数・大きさのバランスが取れていないことがあります。

このまま無理に並べると、歯が外側にはみ出したり、

将来的に歯ぐきが下がるリスクが生じることもあります。

そのため、スペースを確保するための抜歯を選択することで、

歯ぐきや骨への負担を減らし、長期的に安定した歯並びを実現します。

また、無理なく歯が並ぶことで、ブラッシングしやすくなり、虫歯や歯周病の予防にもつながるというメリットもあります。

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③ 受け口（下顎前突）で下の歯を内側に入れたいとき

受け口（反対咬合）の方では、下の歯をやや内側に動かし、

上の歯としっかりかみ合うように調整する必要があります。

このときも、歯を内側に移動させるためのスペースが必要になるため、

下の小臼歯を抜歯することでバランスを整えることがあります。

骨格の成長バランスや横顔のラインを考慮しながら、

口元が自然に調和するよう計画を立てていくのが、矯正専門医の役割です。

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🌱 抜歯・非抜歯の判断はどうやって決まるの？

「抜いたほうがいいの？」「できれば抜かずに治したい…」

多くの患者さんが感じる疑問です。

実際のところ、抜歯・非抜歯の判断は、

次のような複数の要素を総合的に評価して決定します。

• あごの大きさと歯のサイズのバランス

• かみ合わせの安定性

• 横顔のバランス（Eライン・口唇の位置）

• 歯ぐきや骨の健康状態

• 年齢・成長段階・治療の目的

当院では、CTや口腔内スキャン、フェイシャルスキャンなどのデジタル機器による精密分析を行い、

患者さん一人ひとりにとって最も自然で負担の少ない治療計画を立てています。

必要に応じて、抜歯・非抜歯の両方のシミュレーションをお見せし、

ご自身で納得して選んでいただけるよう丁寧にご説明いたします。

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💬 まとめ

「歯を抜く矯正」は、決して悪ではありません。

それは、理想的な横顔や安定したかみ合わせをつくるための一つの方法です。

抜歯によって得られるスペースを上手に活用し、

歯並び・かみ合わせ・口元の調和を整えることで、

機能的にも美的にもバランスのとれた笑顔が生まれます。

柏の葉キャンパス矯正歯科では、

「人生を変え、感動を紡ぐ矯正歯科」を理念に、

患者さん一人ひとりの価値観に寄り添いながら、

最適な治療方針をご提案しています。